ライン
バ ラ 寿 司
 某国立大学医学部長宅へ土曜日の夕食の招待を受けた。医学部長自らが作ったというバラ寿司が漆塗りの寿司桶に盛られて出された。教授曰く『先生のご趣味は』と『忙しくて無趣味で‥息子に譲ったら始めたい‥』、教授曰く『忙しい時に、時間を作ってするのが趣味だ。今日は午後から帰宅してこのバラ寿司を作った。先生も今から始めなさい』と。綺麗に盛られて、豪華で味も美味しいかった。これぞ男の料理だと思った。では早速にバラ寿司に挑戦した。しかし中々満足の行く寿司は出来ない。具を多く入れると美味しいが、寿司が黒くなる。具を少なくすると、見た目は奇麗だが美味しくない。醤油の使い方、穴子の焼き方(素焼きも、蒸し穴子にも挑戦したが、穴子はやはり付け焼きが私は美味しいと思う)、これは回数を重ねる以外にない。穴子とさや豌豆などの青物は後で寿司飯と混ぜることにした。バラ寿司は作るのに時間がかかるのが難点だが、これ程豪華で美味しいものはない。
ゴボウ、人参、蓮根、干し椎茸、干瓢を小さく同じ大きさに切り(切り方も色々あるが、同じ大きさに統一した方が奇麗に見える。)アク抜きをする。
@鍋に昆布を敷き湯だったところに、左記の具や海老を入れる。砂糖、味醂、醤油、塩で味付けをする。
A豌豆とエンドウを塩茹でする。それぞれの色を保つために冷蔵庫で冷やす(茹で過ぎないこと)。穴子の蒲焼きをする(穴子参照)。
これらを適当に切り、具@を酢めしに混ぜた後に、混ぜる。(野菜の青い色を保てて、穴子による寿司が黒くならなくて、奇麗になります。)
B人参は桜状に縁取りをして、さや豌豆とエンドウを塩茹でする。それぞれの色を保つために冷蔵庫で冷やす(茹で過ぎないこと)。蓮根を茹で酢蓮を作る。卵の錦糸焼きを作る。
穴子の付け焼きをする(穴子丼参照)。これらを適当に切る。大きい海老を茹でて半分に開く。これを最後の飾り付けにする。
C寿司桶に1升のご飯を入れ、団扇で冷やしながら、寿司酢を掛けながらシャモジで切るように良く混ぜる。
 寿司を盛る器を何年と探しました。輪島塗の寿司桶も使ったが、最近ではこの寿司桶が気に入っております。やっと漆塗りの中が赤で、外が黒の寿司桶が手に入った。城取邦雄作の漆器です  酢めしが出来たら、具@を入れて、切るように混ぜる。そしてAを入れて再度切るようにシャモジ(有田焼)で混ぜる。最後にBを奇麗に飾り付けをする。寿司桶の縁を綺麗に拭いて出来上がり。
 バラ寿司は見た目も豪華で、美味しい。作る人それぞれに特長が有り、同じ人でも毎回同じ物が作れない所が面白い。これ程個性豊かな料理はない。これぞ男の料理のだと思う。人を招いた時、バラ寿司と鯛の活き造りと吸い物を私の最高のもてなしと自負している。
ライン